58歳、富士山で一番きついルートを登った。がん治療から1年、登頂の全記録じゃ


こんにちは、たくGじゃよ。

前回、こう言うたじゃろ。「抗がん剤のあと、日本一高い山に登れるのか」と。

——答えが出たじゃ。登れました。

🗻 2026年9月2日〜3日 富士山 登頂
御殿場ルート 新五合目 1,440m → 山頂 3,776m

ただな、正直に言うとくじゃ。甘くなかった。今日は、その全部を話すじゃよ。

📊 今回の記録
・登り:合計 9時間(五合目→八合目 7時間半/八合目→山頂 1時間半)
・下り:合計 3時間半
・登りの1歩は「0.9歩」——砂に押し戻される
・山頂直下は「30歩あるいて10秒休む」の繰り返し

「もう一度行くか?」と聞かれたら——二度と行かんじゃ(笑) じゃが、面白かった。ええ経験になった。今までの登山とは、まるで別物じゃったよ。これから登る方の役に立つ話も、たくさんあるけな。最後まで見ていってくれい!


目次【開く/閉じる】

① 御殿場ルートは「最大級の砂山」じゃった

まず、この御殿場ルートがどんな道か——正直に言うじゃ。語弊があるかもしれんが、ワシの実感はこうじゃ。

💬 「最大級の”砂山”を登った」

とにかく足場が悪いんじゃ。砂利みたいな地面でな、足が引っかからん。一歩ふみ出すと、0.9歩ぶんに押し戻される——そんな感じじゃ。これが六合目を過ぎるまで、ずーっと続くんじゃよ。最初から苦戦じゃった

⛰️ 御殿場ルートの地面は3段階で変わる
序盤〜六合目:砂利。一歩が0.9歩に押し戻される
中盤:小岩・中岩の火山石。安定しとる岩と、しとらん岩がある→常に注意
山頂付近:意外と大岩だらけではない。他の山ほど岩っぽくない

面白いのはな、山頂付近が思ったほど岩だらけじゃなかったことじゃ。「上に行くほど険しくなる」と思っとったが、他の山に比べると、そこまでじゃなかったけな。じゃけ——一番きついのは、実は最初から中盤ということじゃ。

御殿場ルートは足場の悪い砂山

それとな、登り始めてすぐのことじゃ。登山口を入って歩き出したら、目の前に富士山が見えてな。とんでもなく遠かったんじゃよ。「本当にあそこまで歩くんか」と思うくらいにな。

💬 「あんなに遠くにある山に、ここから登るんか……?」

登山口から見た遠い富士山

——この景色、覚えといてくれい。最後にもう一度出てくるけな


② 息が続かん〜30歩あるいて10秒休む〜

足場と同じくらいきつかったのが——酸素の薄さじゃ。前に木曽駒ヶ岳で予行演習をした話をしたじゃろ。あの時と同じことが起きたんじゃ。

五合目から登り始めて1時間くらいすると、もう息が上がってな。少し登っては10〜30秒、息を整える。それの繰り返しじゃ。そして山頂に近づくほど、それがひどくなる。最後の方は——

🫁 山頂直下のペース
30歩あるいて、10秒休む
これをひたすら繰り返す

ワシなりに、こういう工夫をしたじゃ。

💡 たくG流・酸素が足りん時の登り方
30歩あるいて、10秒の腹式呼吸
② もしくは 30秒しっかり酸素チャージ
→ 自分に合うリズムを見つけるのが大事じゃ

不思議なのはな、下りは全然平気じゃったことじゃ。息切れは登りだけ。使う体力が違うんじゃろうな。

山頂直下は30歩あるいて10秒休む 腹式呼吸で酸素をチャージしながら登る

この息切れのせいで、時間が普通の1.3倍くらいかかったじゃ。

⏱️ かかった時間
五合目 → 八合目の山小屋
 一般的な目安:約6時間
 たくG:7時間半(長い休憩はナシで、この時間じゃ)

ちなみに高山病は、ほぼ出んかったじゃ。登っとる時と寝起きに、少しだけ頭痛っぽいものがあったくらいでな。2日目の山頂アタックは心配じゃったけ、気圧の不調に効く薬を飲んで臨んだじゃよ。

※ 薬のことは、必ず医師や薬剤師に相談してくれい。ワシの体験談として聞いてもらえたら嬉しいじゃ。


③ 標高3,290mの山小屋〜最悪の寝床〜

さて、人生初の山小屋泊じゃ。しかも標高3,290m。そこで一緒に登ったリーダーが、こう言うたんじゃ。

💬 登山歴10年のリーダー曰く——
「今までの山小屋で見たことがない、最悪の寝床です」

ワシは経験が無いし、写真では見とったけな。そこまでとは思わんかったんじゃが……説明するじゃ

🛏️ 山小屋の寝床
3階建て(3階は見えんかった。食事中に天井から手がニョキっと出てきて気づいた)
・奥行きは人が寝られる長さ、横は30メートルほど
1メートル間隔で掛け布団が丸めて置いてある。正面に番号
仕切りは無し。すぐ横に隣の人の顔がある
寝返りが打てん。直立の姿勢のまま寝る感じじゃ

天井から手が出てきた時は、さすがに驚いたじゃ(笑)「上にも人がおったんか!」とな。

標高3290mの山小屋の寝床 天井から手が出てきて3階建てと気づいた

ところがな、ワシは意外と寝られたんじゃ。よっぽど疲れとったんじゃろう。

🕐 山小屋の夜
17時 夕食
20時 同室の方々とおしゃべり
20時半 寝落ち(消灯は21時なのに、その前に寝てしもうた)
22時半 一度目が覚める。真っ暗
  → そこから1時間ごとに目が覚める(木曽駒の時と同じじゃ)
1時半 もう眠れず、起きとった
2時半 ご来光組が一斉に準備を始めてガサガサ

ワシは使わんかったけど、これから泊まる方に伝えたいことがあるじゃ。

💡 山小屋にあった方がええもの
アイマスク……暗闇の中で、みんなヘッドライトを点けて荷造りするけな。その光がチラチラと、ちょうど顔の方向を照らすんじゃ
耳栓……早朝2時半ごろ、団体さんが一斉に動き出すとガサガサ音が出る
※ 気にならん人は要らん。ワシは無しでも寝られたけどな


④ 暗闇の登山と、拝めなかったご来光

朝3時半、山小屋を出発じゃ。真っ暗な中を、ヘッドライトの明かりだけで登る。これはリーダーも初めてじゃったらしい。2人とも初体験じゃ。

🔦 買っといて良かったもの No.1
ヘッドライト(300ルーメン)3,000円
→ 暗闇では効果抜群。これが無かったら登れんかった

前に「装備を買った」という話をしたじゃろ。あれが一番役に立った瞬間じゃ。

暗闇の登山、ヘッドライトの明かりで登る

そして、5時ごろ山頂に到着じゃ。ご来光を待った——んじゃがな。

☁️ ご来光は……拝めんかった

晴れとったんじゃよ。じゃが雲がかかっとってな。明るくなっていく様子は見えた。そしてしばらく経ってから、雲の間から陽が上がるのは見えた。じゃが「ご来光を拝んだ」という感じにはならんかったじゃ。こればっかりは運じゃな

雲がかかってご来光は拝めなかった

それとな、山頂が人だらけじゃった。各ピークにぎっしりでな。5時に着いた時には、もう入り込む隙間が無いくらいじゃったよ。じゃけワシらは判断したんじゃ。「これは無理じゃ」と。みんながご来光を待っとる間に、先にお鉢巡りをしてしまおう——そう決めて動き出したじゃ。

💡 これから登る方へ
山頂はご来光の時間に集中する
あえてズラして動くのも手じゃ


⑤ 山頂に立って、何を思ったか

さて。「山頂に立った瞬間、何を思ったか」——よく聞かれるところじゃな。正直に言うぞ。何も思わんかった(笑)……いや、嘘じゃ。思うというより、「すごいな〜」という感情だけがあったという感じじゃ。

最初に着いたのは御殿場口の頂上——火口を囲む平らな部分じゃ。そして本当の最高地点は剣ヶ峰、3,776m。じゃがそこは人が多すぎてな。正直な感想は——**「早く立ち去ろう」**じゃった(笑)

📸 記念写真の待ち時間
剣ヶ峰の石碑で写真を撮るのに——45分待ち
ディズニーランド並みじゃ

で、山頂に着いてワシが最初にやったこと。それはな——火口を見に行ったことじゃ。周りの景色は、登っとる途中で何度も見とったけな。そこまでの違いは無かったんじゃ。じゃが火口は、初めて見る光景じゃった。

💬 火口を見た瞬間、3つの感想が一度に来た
でかいな〜
ゴジラが出てきそうじゃな
思ったより深くないんじゃな

富士山の火口

そして——お鉢巡りをしとる時じゃ。今まで登ってきた方角からしか見えんかった景色が、360度、全部見えたんじゃよ。「本当にここから日本が見下ろせるんじゃな」——富士山の偉大さに、感服したじゃ。

お鉢巡りで360度のパノラマ

そこでな、ふと思い出したんじゃ。登山口で見た、あの富士山を。

💬 「あんなに遠くにある山に、ここから登るんか……?」

「よく登ってこれたじゃな〜」

そして、もう一つ思ったことがある。半年前のワシは、がんの手術と入院で、動けん体じゃった。それが今——日本で一番高いところに立っとる。「回復どころじゃないな。よう頑張った」——そう、自分を褒めたじゃよ。


⑥ 下山3時間半〜「大砂走り」という滑り台〜

さて、ここからが御殿場ルート最大の名物じゃ。**「大砂走り」**じゃよ。数字を見てくれい。

⏱️ 登りと下りの差
登り:9時間
下り:3時間半
半分以下じゃ

普通はな、下りは登りの3分の2くらいの時間がかかるもんじゃ。今までの山はそうじゃった。ところが今回は半分以下。なんでか——理由はこれじゃ。

💬 「スキーと同じじゃ。山を直滑降で滑り降りる」

上の方は、さすがに蛇行しながら下るんじゃがな。途中からは急斜面を、滑るように歩いて、滑るように降りる。「大砂走り」とはよう言うたもんじゃ。

大砂走りをスキーのように滑り降りる 急斜面の砂をひたすら下る

ただしな、長い。とにかく長いんじゃ。「まだ終わらんな」「終わりはどこなんじゃ?」——下の方まで、ずーっと真っ直ぐの下り道じゃ。見えんのじゃよ、ゴールが。それをひたすら降る。足腰にくるじゃ……

⚠️ ここは要注意
サンダルや普通の靴では絶対に危ないじゃ。ちゃんとした登山靴で来てくれい。

そしてな——ここで**「ゲイター」が大活躍**したんじゃ。前に「靴に砂が入らんようにする防具じゃ」と紹介したやつな。7,000円で買ったあれじゃ。リーダーは着けとらんかったんじゃが——靴下を叩いたら砂埃が出る状態じゃったよ(笑)

💬 「ゲイターが無かったら、靴の中は砂まみれじゃ」

それとな、大砂走りが終わってもまだ終わらんのじゃ。登山口まで**「小砂走り」**が続く。ここを軽く見とったのが失敗じゃった。疲れた体に、トドメを刺してくるけな。「終わるまでが登山」——身にしみたじゃ。


⑦ まとめ〜二度と行かん。じゃが——〜

最後に、一緒に登ってくれたリーダーの話をさせてくれい。本人は「僕はまだベテランではない」と言うんじゃがな。10年近く、年に4〜5回、百名山を中心に登っとる方じゃ。

🙏 リーダーがしてくれたこと
・ワシのペースに合わせて登ってくれた(本人は息切れもせず、とにかく速い)
・見える山々、植物、地層、歴史——歩きながら全部教えてくれた
・山小屋では他の登山者とすぐ打ち解ける(コミュニケーションの達人じゃ)
・山小屋の予約も、車での送迎も、全部やってくれた
・重さを気遣って、荷物を分けて持ってくれた

「ガイドになればいいのに」と本気で思うたじゃ(笑) 一番きつい御殿場ルートを選ばれた時は「ちょっと……」とも思ったんじゃがな。2日間、飽きることなく、励ましながら最後まで一緒に楽しんでくれた。感謝しかないじゃ。

——というわけで、富士山、登ってきたじゃ。もう一度聞かれたら、やっぱり**「二度と行かん」**じゃ(笑) じゃがな。行って良かった。これは間違いないじゃ。

半年前は、動けん体じゃった。それが日本一高いところに立てた。体は、戻るんじゃよ。同じような治療を経験された方に、これだけは伝えたいじゃ。

💬 「登れるかどうかじゃない。“行こう”と決めたかどうかじゃ」

次回は、装備の答え合わせをするじゃ。前に「これを買ったじゃ」と紹介したもの——本当に役に立ったのか、無駄じゃったのか。正直に全部話すけな。ラーメンやビールの値段も出すじゃよ(笑)


おわりに

富士山に登ったことがある方——どのルートで登ったか、ぜひ教えてくれい。「登ってみたいけど不安で」という方も、聞きたいことがあれば書いていってな。覚えとるうちに答えるじゃ(笑)

今日も最後まで読んでくれて、ありがとうな。このチャンネルでは、58歳で初めて入院した体験から学んだ、健康・お金・生活・人生観について、正直に話しとるじゃよ。

参考になったよ、という方は、よかったらコメントで教えてくれい。

それじゃあ、また! バイならじゃ〜。

富士山登頂を終えて、まだやりたいことの方が多い

※ 所要時間やコース状況は、天候・体力・時期で大きく変わるけな。あくまでワシの実例として参考にしてくれい。
※ 登山は自己責任じゃ。装備・体調・ルートの判断は、必ずご自身で確認をお願いするじゃ。